ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

他人を窮屈にさせる

 

40過ぎて結婚できない人たち

たとえ同僚といえども、現在、ましてや過去のパートナーの存否、休日の過ごし方、最低限衛生的でありさえすればその身繕い、どうにでもよくて、自分も放っておかれたいと思うのに、そっとしておいてくれないものかな

2017/11/26 11:17

  わたしは既婚者だけど、結婚や、ましては恋愛については語らない。数の上ではたぶん優勢であろうヘテロセクシャルの、しかも女性であってみれば、同様の立場、似たような意見、通い合う感触について綴る人はさぞかし多かろうと思うて。であるけれども、そういう事情とは別に、「結婚できない」というタグを深い考えなしに他者に括り付けることの無礼さについて、よくよく考えてみてほしい。

 先々週だったか、やはりホットエントリに上がった結婚カウンセラーの女性が、30歳超えて実家住まいの未婚女性らに縁づくための「苦言」を呈しているものがあった。目標到達のために、金を出させてきついことをいう商売としては、ダイエットトレーナーとか、塾講師とかほかにもいろいろある。わたしは、塾・予備校業界で約20年ほど細々と稼がせていただいたけれど、「きついこと」は殆ど口にしなかった。それは、叱咤激励というのは、ある種の薬と同じで、最初は効くけれども次第に多い量やより強い刺激が入り用になるからだ。教えることのほかに「きついこと」で相手を焚き付けるのは体力を消耗するので、そんな体力があれば、大きな声で「きついこと」をいうよりは、役に立つプリントの1枚でも自作したかった。たぶん、上記の結婚カウンセラーさんも、実家の部屋を片付けろとか、「男好きのする」服装を心掛けろとか、そういう具体的な指導を続けながら、ご成約、つまり婚姻成立までの面倒を見ることを請け負って娘さんたちをお預かりするのだろうが、彼女たちの人生に本当に必要なのはなんでも相談できる結婚相談所にいる姐御株ではなく、長らく実家で暮らしてきたけれどそれでもわたしは誰にも引け目を感じることのない、ひとりの女であるという自覚だろうから、外から叱られているばかりでは。それに、実家娘、おっとりしていても多少我が儘でも、いいじゃん。ワイルドライフとか観ていても、象の家族なんて、たいてい女系で、集団子育てしているから、お婿さんの負担はわりと少ないもの。

 いい年をした人間は、よほどなにか特別な事情がない限り、結婚しているものという思い込みは、まず、結婚をしていない人たちのある部分を傷つける。そして、既婚でもそういう思い込みをもたない人にも幾らか居心地の悪い思いをさせる。わたしは、人が結婚していないからといってその理由を考えたりはしない。他人の愛や欲望について知ってどうすると思うからだ。結婚するといわれれば、おめでとうと云い、離婚したお別れしたと聞けば、あらそれは、で終わりだ。他人の内側に興味をもたないようになるには、幾らか修練を積まねばならない。この年頃になってやっと他人のことがどうでもよくなった。それなのに、冒頭のような思い込みが蔓延してしまえば、またあちこちでぎくしゃく軋みが増すような気がする。結婚したり、愛したりつきあったり、そういうのをしたいかたはご自由に、どうぞご存分に。そして、そうでもないかたも重々尊重されなければ。

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まっかなジャムを塗りつけ