ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

見逃してあげるやさしさ『0.5の男』第2話

 2.5世帯住宅の子世帯のほう、臼田あさ美さん演じるお母さんには、ふたりの子がある。ひとりは、前回、「怪獣」と書いた保育園通いの男児。そして、中学生の女の子。男児は、保育園で出される食事が好みではないので、朝、園へ行きたくないと猛然と反抗する。両親は、一刻も早く男児を保育園に送り届けて、可及的速やかに会社へ行かねばならないのに、男児はまったく協力的ではない。

 子世帯のリビングに隠れている男児を庇って、中学生の姉が、「あの子ならわたしの部屋にいたよ」と、すでに息を切らしている母親の臼田あさ美に嘘をつき、リビングの弟と軽く手を振り合って自分は登校する。年の離れた姉と弟の共犯関係だ。

 第2話の後半、その姉のほうが中学のクラスに馴染めなくて(婉曲的表現。)、学校を早めに抜け出したのを叔父の雅治(主人公。松田龍平さんが演じる。)が見つけるが、雅治は、あえてそのことを連絡をとった自分の母親、つまり少女にとっては祖母にあたる風吹ジュンさんには伝えない。雅治自身が長らくの隠遁生活で、下校するには早すぎる時間帯に中学生が学校の外にいるのは、きっと説明したくない事情があるだろうと察する能力はもっている。

 姉が弟のために母親を騙し、叔父は姪の小さな秘密をつつかずにいる。それは、正しさからは外れる行いかもしれないが、家という場所が成員にとってのアジールであるためにぜひともあってほしい温かさのあかしでもある。

 と、月曜の午前から、忘れないうちにに書いておこう。