ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

「にんげんこわい2」の後半3作を観た

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 これ、連続ドラマW-30の枠でやってるのかとやっと認識した。春先に、『ウツボラ』と『ながたんと青と』をそれぞれ30分間ずつ流していた。両方、やや大人女性向け漫画(いわゆるレディースコミックではない。)が原作だけど、「耽美」と「健気」で内容が大きく異なっていたので、最後まで両方みた人は多かったか少なかったか。『ウツボラ』の原作は、全2巻構成の中編で、いったい誰が誰から何を奪うために、こんなスキームを考えたのか把握できたころには物語は終わっていた。それは、ドラマ化されても相変わらずで、中村明日美子さんの一部の作品で繰り返し重要なモチーフにされる、喪失とか不全とか抱えた中年作家の最後には、やはりそういう選択しか残されてなかったのかな。

 さて、「にんげんこわい2」の後半は、『鰍沢』『権助提灯』『笠碁』を原作にしたドラマ3作で、『鰍沢』では、岡田将生さん演じる旅人が禁じられたエリアへ踏み込む直前に毒消しを与える現地の人の役で、芹澤興人さんが出てきた。『鎌倉殿の13人』のほかは、WOWOWの『ヒル2』で観たのが最新だったから、お元気そうでよかった。『権助提灯』は、もうくたくたなのに旦那の指示にしたがって、奥さんとお妾さんの家を提灯下げていったりきたりする下男の話で切なくなった。『笠碁』は、伊東四朗さんにいたぶられる松重豊さんの話で、年齢差が27歳あるのにお互い商家で煙たがられて邪険にされている隠居を演じて、気ぶっせいな感じもほとんど等量滲み出ているのがよかった。松重豊さんは、このごろ、徳川家康を見限って豊臣に走った石川数正ということで評判だけど、ドラマW原田マハ原作『ーいりびとー異邦人』で、京都の日本画家・志村照山を演じたときも、美しいSUMIREさんを追い詰めて長い間彼女からことばを奪っていた老人を怪演していた。

じっくり観たいときは物理版で。