ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

予算不足の学校給食に求められるのは

 深夜、TVerで、『きのう何食べた? season2』の第1回を視聴した。ちょうど先週、今週と1回ずつ炊いてもらった鰈の煮付けが作り方から出てきて、最近2回も食べておいてなんだけれども、やはりおいしそうだった。

 『きのう何食べた?』、いわゆる「何食べ」は、現在50代の弁護士と美容師のカップルが、おもにふつうの夕食になにを食べてどんなふうに生きているかを描いた、よしながふみさんの漫画が、もともとの原作のテレビドラマであり劇場版映画である。

 今回、原材料費や輸送費の高騰を反映して、この世帯の朝晩の食事の材料を調達するための月々の食費は、2万5千円から3万円に変更される。そのあたりの経緯は、ドラマを観ていただくこととして、比較的安価な畜肉よりも、高価であっても魚を食べないことには健康は維持しがたいというフレーズがあった。わかりやすくいえば、内野聖陽さん演じる美容師のケンジが、肥えるのだ。

 もっともこのふたりは、本来ならば、もっと食費にお金を掛けられる所得区分にいるのだろうし、50代男性一人当たりの一日の必要カロリーは2600kcalであるところ、朝夕ふたりで5000kcalの8割近く、4000kcalを賄うために、1日1000円足らずで済ませているというのは、シロさんの買い物術が熟練の域に達しているからだ。

 それで、ちょっと思い出したことがある。

 ときどきSNSのタイムラインに、学校の教室でさっと撮影されたものだろうが、あまり色味のよくない、児童用の給食の写真が流れてくる。炭水化物、蛋白質、脂質に各栄養素の計算は、たぶん合っているのだろう。限られた予算の中で献立を考えて、調理して、安全に提供している関係者の皆さんの努力と工夫には、ほんとうに頭が下がる。その上で、鶏肉でも卵でも充填豆腐でも構わないのだけど、体温と身体の組織の生成に役立つ蛋白質の割合をもう少し上げられないかと感じることが多い。

 わたしが、中学校の家庭科で習った栄養学の端くれは、令和のこの時代には、かなりの部分、過去の遺物になってしまった。いま、児童として学校で学んでいる18歳未満の人たちは、いずれこの国の幹となる。その人たちが児童の時代を振り返ってみたとき、いろいろろくでもないことは起こったけれど、自分たちの健康と安全について、誰もが無頓着というわけではなかったと思ってもらえればうれしい。もちろん、生存に必要な栄養の摂取を学校給食に頼らなくてもいい家庭の子もたくさんいるだろう。わたしがいま念頭に置いているのは、あえてそういう子らも含めて、長期休業中に給食がないという理由で痩せてしまう子、そして、二者の間にいる、そのほかのたくさんの子みんなである。学校給食ちゃんとしますが、公約の議員候補が出たらよほどのことがない限り、たぶん投票します。

そんなこといいながらチャーシュー麺たべたりする