ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

北欧サスペンスは、寂しい幕切ればかりなの

 前に、『尋問』という北欧ドラマを観たといった。正確には、『Face to face 尋問』で、警察内部で孤立しているけれど、わりと地位の高い刑事さんが離れて暮らしていた一人娘の死の真相をたどる話だった。そのseason2というか、別個の作品が、WOWOWオンデマンドでは公開されていた。

 きのう観た『BOX21』は、ルーマニアから騙されてオスロに連れてこられ、監禁されて売春を強要されている女性が、悲壮な覚悟をもって、復讐を行うのが話の筋だった。ただ、彼女だけではなく、のちにそれを捜査する警察官、その妻(この人も警察官)、なぜか彼女を故意に轢いた反社組織の構成員、彼と一旦は別れた美容室の経営者、理想に燃える若い女性警察官、このごろちょっと疲れてきた中年にさしかかった刑事と、ステレオタイプな紹介では物足りないほど、味のある俳優さんが話のなかに静かにひしめいている。

 『尋問』もそうだったけど、『BOX21』も、あっさりと話は終わる。前者はともかく、後者の終わり方は、あまりに不条理で寂しいものだった。

秋映(しゅうえい)