ぴょん記

お暑うございます。

『深夜のダメ恋図鑑』

 いつかは読むだろうと思っていたけど、まさかこんなに早くKindleで読んでしまうとは。20代半ばの都会で働く女性3人が、巡り会ったりおつきあいしたり別れたりした男性たちのエピソードを交換する編年体ならぬ編月体オムニバス。

 初出時の年齢に引き直してみれば、彼女たちは概ね1990年生まれ。ということは、わたしが学校を出てからわりと早い時期に学習塾で面倒を見たり見られたりした人たちに近い。その年代がもうこんな複雑な恋愛模様をとりどりに描いているのかと感慨もひとしおだったけど、ただひとつ、気になった点がある。この漫画は、駄目な恋というより、なっていないボーイフレンドを大ゴマをつかって難詰するところにポイントがあるのだけど、女の側には、そんな男に引っかかってしまった、あるいは飽きもせずにつきあい続けているということ以外には、とりたてて過ちらしいものは見当たらない。男のほうは、ときにはやんわりと、しかし、たいていはぎゅうぎゅうに非難されて罰も受ける。快哉を叫ぶ一群の読者。だけど、それは、ひるがえってみると、ほぼ100パーセントの無過失を異議申立てをする側に求める文化に繋がるのではないかと心配にもなる。落ち度があったって相手に改善を要求したっていいはず。交通事故だって、過失割合をきめて損害を相殺するようになっているのよ、この社会では。「被害者」に無謬性を求める風潮が、こわい。

 

 

 

深夜のダメ恋図鑑 (フラワーコミックス)