ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

わたしもとてもつらかった

 右足親指の爪の内側が巻くようになって、爪ぐらいの硬さの構造体を削る道具なら山ほどある家なので、たまに皮膚を数層削り込まれてはうめきながら大まかにいえば爪切りをしてもらっていた。

 今回も旅行の前に脚の指のキュアだかケアだかを済ませた筈なのに、なぜか右足親指がじくじく陰険に痛む。痛いところに爪はなく、つまりそれほどまでに奥深く切り込まれているのに、とにかく痛い。なにかが爪先の神経叢を圧迫していることはたしかなようで、しかもそれは靴のような外部のものではなく、身の内にある何かのようだった。帰宅して、爪切鋏を当ててみてもらったものの、これがいつもと比べてもありえないほど痛い。爪全体が腫れて熱をもっているのではないかなどとも言われた。週末、近所に信の置ける皮膚科医は皆無である。

 仕方ないので、自分の手指の爪でもって右足親指の爪のカリエス部分を横から掻き崩してみた。手の指の先は主婦の水仕事で薄くなった爪で、しかも、なにしろ自分の身体の一部で、十分にコントローラルブルな治具なので、たちまちぼろぼろになった爪が零れて落ちてきた。でもこのぐらいではまだお話にならない、と思ったけれど、これで久しぶりに安眠できたから不思議なものである。