ひとによっては尾籠な話にあたるのかもしれないが、ここ数年、秋が深まり朝夕の寒さが厳しくなるころ、わたしの消化器は不調を訴える。だめですなにも消化できそうにないし吸収のほうもかなりあやしいものです、という具合で、身体が饑くて目がどんよりと曇るぐらいまで弱ってしまう。朝夕にたくさんのむ薬は休めないので、そればかりはお白湯でそろそろと流し込む。
漢方でいうと、骨格が冬に向けて内に閉じていく時期に、そうやって身体のなかの余計なものを比較的穏やかに排出しているのかもしれない。とはいえ、こういう体質に変わったばかりのころはもしやまた新しい症状が出てきたのかとか病勢がにわかに改まりつつあるのではないかと人知れず脅えもした。このごろでは、寒さに身体が慣れれば、徐々に水気も摂れるし米の粒をたべても大丈夫になると「わかって」いるので、治るまでの旬日を弱りながらなんとか遣り過ごすようになった。