今月の日経朝刊『私の履歴書』の執筆者は、良品計画元会長の松井忠三さん。大好きブランドの改革者の回想録として、興味深く読ませていただいている。今日の日付の分に、今世紀初頭の無印改革のなかで、値札の数をしまむらの3にならって203から97に削減したエピソードが出てきた。「わけあってやすい」を示すタグの小さな文章を、『ええっ、だからどうなん!?』と心の中でつつきながら、店舗ではリアル籠に、ウェブストアでは仮想カートに、商品をぽいぽい放り込んでいくのが無印良品での買いものの楽しさなので、値札ひとつにもそういうお話があるのを知って面白がっている。
若い奥さんになったブロガーさんたちが、ときどき、たまねぎやキャベツの切り方に苦心しているとおっしゃる。いまは、各種動画サイトもあるので、練習次第ではどこまでも上達できることと思う。たとえば、キャベツは、葉をきれいにして、芯をとって、葉はくるくると巻いて繊維を断つ方向に刻み、芯もなるべく薄く削いで水に放ち、スピナーで水気を切るとおいしいと思う。ことにこれから出回る春キャベツは。春キャベツといえば、軽く湯通ししたざく切りを合挽肉などと一緒にメンチにしてもいい。おつとめや子育てで忙しいならば、思い切って、自分が楽しく感じる、つまりは好きな家事の能力を伸ばすことに集中して、それ以外の事柄は、家族に任せたり外注したりしてもいい。言うたら、キャベツは、朝夕の夫婦2人分くらいなら、100円で刻んだのをスーパーで買えるよ……。
こういう雑誌は好きだけど、それほど「ていねいな生活」を心掛けているわけでもなく、ほどほどおいしいものを食べてわりあい健康で人並みに身ぎれいに装っていれば、それで足りるのではないかと。