午前中から机に貼りついていたのに、食事を摂るべき時間帯に、Kindleに入れた新刊の漫画を読んでしまって、おなかは空いているのになぜか食べないほうがいいという判断がはたらく、わたしにとっては珍しい状態になった。
さて、その漫画とは、『食糧人類』第5巻。放射性廃棄物の厳重管理施設オンカロを思わせる秘密の大規模施設*1に、ある日、ふたりの高校生が連れてこられる。その施設内のとんでもない状況にとりあえずその場を逃げ出した高校生たちは、すごく身体が丈夫な人、とても頭がよい人及び施設の内部をよく知っている人、の3人の大人と合流して、施設からの脱出、その前提である生存を掛けて施設の管理者らと戦う。ちなみに、3人の大人と便宜的に書いたけれども、そのうちのふたりは、それぞれ異なる意味でふつうの人間ではないし、残るひとりも長期間にわたる施設内逃亡と孤独から、かなり心がくたびれている。絵の線がとてもきれいなのに、描かれるシーンの殆どは酸鼻をきわめるものである。
この5巻では、かつて言及されていた大粛清について詳しく語られる。身体がよろよろでも心がぼろぼろでも、とにかくいまいるその場から立ち上がって全速力で逃げないことには1秒先の命だってわからないという極限の世界。そこには、少しのラブもない。
食糧人類?Starving Anonymous?(5) (ヤングマガジンコミックス)
- 作者: イナベカズ,蔵石ユウ,水谷健吾
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2018/04/20
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おついでに:
新装版 ジュテーム、カフェ・ノワール (onBLUE comics)
- 作者: ヤマシタトモコ
- 出版社/メーカー: 祥伝社
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*1:作中で、「ゆりかご」と呼ばれている。