ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

深夜の漫画読み

 続けて読んでいる漫画の単行本、AmazonKindleで、気が付いたら新刊が出ていたことがある。ちなみに、Amazonで作家毎に登録している新刊お知らせのメールは、リリースから随分遅れて届くから、ほぼ使えない。

 3日深夜には、『昭和天皇物語』と、『夏目アラタの結婚』の新刊をみつけた。

 『昭和天皇物語』は、大正天皇崩御と、剣璽渡御に始まる即位の一連の行事を経て、裕仁天皇が即位する。田中義一内閣のもと、中国大陸での軍事活動は加速度的に広がる。それぞれ陸軍と海軍に配された弟宮たちのエピソードも絡めて、若い天皇の目に映った昭和史の諸相が描かれる。天皇を実質的に「母」として育てた御用掛が結婚した海軍将官が、のちに侍従長を務め、二・二六事件で凶弾を受けつつも奇跡的に延命し、ポツダム宣言を受諾する内閣の首班を務める。昭和天皇と、鈴木貫太郎夫妻との不思議な縁については、この巻でも触れられている。

 

  『夏目アラタの結婚』は、妻である真珠の控訴審で、それまで隠れた存在だった彼女の父親について触れられる。同時に、真珠の母が、彼女を広い意味で放置し続けながら、しかしそれだけではなかったというエピソードも明かされる。アラタは、児童相談所の職員という職業なりに、真珠の過去を調べていくが、彼女が過去に殺人や遺体損壊を行ったことを疑ってはいない。では、なぜ獄中結婚したんだというのは、もう行きがかり上というしかないし、そもそも面会に出向いた理由にも無理はあるのだが、叙述の巧みさが設定の不条理をはるかに凌駕しており、そのあたりはそれほど気にならない。

 誰だって、一筋縄ではいかないのだ。おそらくは。