火曜日は、朝から食欲が旅に出てしまって、昼に前夜の残りの柑橘半個、三時にサンジェルマンの「凍眠」の豆入りパン1個を食べた。豆入りパンに至っては、最初の一口はともかく、残りは口に押し込むようにしてかなりがんばって食べた。
罰当たりなことである。わたしの薬理的な(偽りの)飽食状態は、中東で腹を空かせて援助物資の5キロの小麦粉を命懸けで奪い合う人々と直接の繋がりはないものの、ひもじくても食糧が不足して食べられない人と、薬の飲み合わせの結果、食欲が減退して筋肉が落ち、体組成の割合として体脂肪のパーセンテージがじりじりと上昇している者が同じ星の上にいる。そこにダイレクトな連関はなくとも、少なくとも因縁を感じることは許されるだろう。
そうこうしているうちに、夜を迎えて、身体は眠気を訴えてきたので、台所に入って、もっとも安価なインスタントラーメン(みそ味)を煮て、乾燥わかめと刻み葱、七味をのせて食堂で啜り始めた。三口目までは、塩気が少し旨いと思った。そのあとは、もう咀嚼が難しいと感じられた。ふだんならば、そこで止める。でも、身体に栄養分が不足しているために起こる頭痛や寒気が出てきていたので、食べる器械になったつもりで箸を止めない。胃が、この乾燥麺を煮て戻した炭水化物を無事に消化してくれることを祈るような気持ちで、麺を啜って掻き込む。
こうなったもともとの原因は、昨年7月の薬剤交換で、一時的にステロイド剤を増量したのでHbA1cが急上昇したのだ。この値をを降下させるための薬が、食欲を抑えて血糖値を安定させるものであるらしい。
刺身はある程度食べられるけれども、焼いた肉などは、あまり食べられない。
でも、それほど痩せたわけではないから。
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