ぴょん記

きょうからしばらく雨降る日々

夏野菜といえば赤いの緑の黄色いの

今週のお題「夏野菜」

 いま、一年中食べている野菜は、いわゆるじゃがたまにんじんの根菜類を除けば、小松菜とトマトと胡瓜、ピーマンぐらいのものだ。このうち、トマトと胡瓜とピーマンは、もともとの旬は夏でありながら、現代では、真冬でさえハウスの中で油をどんどん焚いて栽培され出荷され食べられている。小松菜は、冬場に旨いけれども、原産地の東京・小松川のあたりにながらく居住していたので、振り返ればいつもそこにいる、というイメージで。

 記憶の中にある夏野菜の代表格は、九州地方に多い長茄子で、太さは直径5センチくらいで太さがそれくらいのは東京のスーパーマーケットにも幾らでも並んでいるけれど、ただ、九州の長なすは、収穫時の長さが25センチから35センチくらいまで育っている。そうすると、朝のみそ汁に一本丸ごと使うのはまず無理でやっと半分程度。麻婆茄子でどうにか一本使い切り、亀甲に包丁を入れて醤油ベースの汁で頑張って煮てようやく二本が野菜カゴから消えるという感じである。

 九州の茄子にはそういうのもあると書いたので、ついでに苦瓜(ゴーヤ)についても触れておく。ゴーヤは、縦半分にして、中の種を取り、7ミリ幅の半月に切って、少量の砂糖ともっと少ない塩であく抜きのために揉んで5分間放置する。そのまま水気を絞って調理に入る人もいるかもしれないが、わたしは、一応水を通してそれからしっかり絞って調理に移る。炒めて溶き卵と合わせたり、人参しりしりと炒めて、木綿豆腐を千切ったのと煎ったり。苦瓜をすごくおいしいとは正直なところ思わないけれど、暑さに疲れた胃が苦瓜の適度な苦みで手当されるというのは信じられる。

 さて、わたしは、生協さんの宅配で、「野菜ボックス」という、一週間に3種類か4種類ほどの野菜がセットされて配達されるサービスを利用しているが(「野菜ガチャ」とといえばより通じやすいであろうか。)、夏場にはたびたびズッキーニなるものが一本ないし二本、届けられるようになった。ズッキーニは、南瓜の仲間らしい。しかし、ロマネスコ以上に馴染みがなく、しかたがないので輪切りにして天麩羅として家族に食べさせていた。そして、なんとなく自分は食べずにここまできたのだけど、先日、家族のひとりが、ズッキーニと茄子とベーコンを切った上からシュレッドチーズをかけてオーブンで焼いた、つまり夏野菜のグリルを作ってくれたので、食べてみた。……まあ、これまで食べなかったのにもさしたる理由はなかったし、ズッキーニ自体も気立ての悪い野菜というわけではないので、胡瓜とみまごう外観や茄子そっくりの切り口については不問に付そうと思う。ズッキーニについては以上です。

 そして、話題はとうとう本丸の南瓜に移る。中身の黄色い南瓜は、冬至のあたりに煮て食べるために冬の野菜のように扱われることが多いけれども、夏にがんばって水分を取り込み、養分を蓄え、身を太らせる。野菜自体から豊富な出汁が出るので、醤油と砂糖があれば煮ることができるし、見掛けほどには煮えるまでの時間は掛からない。ただ、外側の皮が固くて、カットするのにとても力と要領がいることが多い。いまは途中で電子レンジに掛けたり、割りやすい品種が開発されたりしたけれど、昔の南瓜は相当に堅かった。ときどき、食品通販大手の商品ページなどで、離乳食用の南瓜の冷凍食品などを見掛けることがある。ふつうの冷凍南瓜とどこが違うのかわたしには見分けがつかなかったが、北海道の指定された畑で丸々と育った南瓜を大切に加工しましたといわれたら、離乳食作りに励む保護者さんには魅力的に感じられることであろう。店頭で半分や4分の1にカットされていたとしてもなお、食べられる大きさにまで南瓜をカットするのは一仕事なのだから。

 モロヘイヤ、おかわかめ、おかひじき等については、またの機会に。

 

 

 この号に出ていたズッキーニと茄子のグリル、おいしそうでした。