寝る前に、iPadでWOWOWオンデマンドのドラマを観る。WOWOWが直接か間接かで配信可能なように引っ張ってきたコレクションの中に、viaplayセレクションという北欧や中東欧のドラマシリーズがあって、なかなか深刻な設定のクリミナルミステリーが痛くてつらくて悲しい経過を辿り、最悪な結末を迎えて終わるというのが定番だ。
そこにカタルシスは、ない。暗い極夜のもと、起きて出勤して日の目を見ることなく退勤して、ワインを片手にこんなドラマを観て、また寝るのでは北欧の人は気が滅入るのではないかと心配になる。いや、これは、長い白夜の続く夏の間、寒くつらい冬を忘れないで心構えだけはいつ冬を迎えても大丈夫でいられるように心を馴らすための絵空事なのでは、などとも想像する。
日本の刑事物だって、平均的な一般人の日常では毎週起こりえないことの描写の連続だし。
ともかくそのうちのひとつ、スウェーデンの検察官が主人公のドラマで、サーミ人の少年と揉めた女性がその子の小屋を燃やす愛人の動画を撮影しながらはしゃいでいて、その動画を取調室で彼女とふたりで検分した中年の男性刑事が、ぼそりと「おれは、人は、なるべく人にやさしくしたほうがいいと思うよ。」という。群れで放牧されているトナカイが縛られてバイクで引き摺られて殺されたり、その女性の愛犬が射殺されたりした後なので、もうお互いの憎悪は相当に高まった段階でのあえての発言である
柔和にしておとなしくしていると付け込まれるのではとわたしなども普段の暮らしの中で警戒することが多々あるけれど、嘗められたからといって必ずしも実害が及ぶかというとそう決まったものでもないので、声をあららげることを減らして、眉尻を下げ、口角を上げて、……生きていけるかな。
酸素系漂白剤で着香されている商品を使うのははじめて。これで麦茶のパッキンの黒かびが退治できればうれしいけどなあ。