20代から先、だいたい10K(日本円)から20Kの間の価格帯の椅子を使ってきた。PC作業によく使われるタイプだ。座面の高さが若干調節できて、座面の下にはキャスターが付いていて、その前で座面から下に伸びる脚が4つか5つに分岐している。椅子の背当てと腰掛けの部分は金属で接続しているけれど、当時のわたしは作業の合間に大きく仰け反る習性があったので、不幸なことにその金属部分(幅が60ミリ以上ある)が折れてしまうこともあった。そして、たいてい、そのような事故が生じなくても、多くの椅子はプラスティック部分の劣化によって座り心地がよくない感じになって、廃品回収にだされることとなった。
2014年、無印良品の折りたたみ式椅子を買った。セールで3000円だった。この椅子が優秀で、キャスターはないし、高さの調整もできない代わりに、なんの不都合もなく転居を挟んで10年ほども役に立ってくれた。ところで、このころには、遅まきながらわたしにもだんだんと知恵がついてきて、背もたれに依存しない座り方を会得していたことも長期間の使用に寄与したのではないか。まあ、それは、よい。
この椅子に少しだけ不満が出たのは、転居先の床がフローリングもどきで、椅子の足にキャスターが付いていたらなおのことよろしからましと思ったのだ。そこで、背もたれが微動だにしないタイプの5Kくらいの椅子を買った。それが、昨年の5月くらいだったろうか。いまのところなんの不具合もなく働いてくれている。
日常的な役目を終えた無印良品の折りたたみ椅子は、現在、台所の隅で、芋の皮むきが多量の際などに働いてくれている。
このタイプの椅子も一脚もっている。