胃が弱って栄養が摂れないのなら、経胃でない栄養摂取の方法を考えたりするのが近代医学なのだろう。多少の水分を口から流し込んでしばらくすると、胃のあたりからキュルルと受け取りのサインが発せられる。そのあとは、干からびかけの身体のあちこちから引っ張られて水分はどこかに消えていくようで、このころになると手洗いに立つ回数もとても少なくなった。自分はともかく、家族には栄養バランスのちゃんとした食事を出したいのに、熱量と蛋白質の量と、あとは若干の野菜ぐらいしか意識した食事を構成できない。まったくもって気の毒なことである。
